今日紹介する本は、「データサイエンスが求める新しい数学力〜AI、データ分析が壊す文系理系の壁」です。文部科学省では文理融合を進めていますが、その背景にあるデータサイエンスの普及や入試改革、学習指導要領の改訂などについて知ることができます。また聖学院中学校・高等学校をはじめとする最新の教育現場についても丁寧に取材されており、大変参考になります。算数・数学の先生はもちろん、STEAM教育や文理融合に携わっている先生にもおすすめの一冊です。
書籍紹介
目次は以下の通りです。
- 序章 AI、データサイエンスが変える数学のこれから
- 第1章 「文系理系を超えた」数学力の鍛え方
- 第2章 激変する数学教育の現場から1
- 第3章 激変する数学教育の現場から2
- 第4章 動き始めたデータサイエンス教育
- 第5章 ジョブ型時代を生き抜くための“数学力”を持つ人材
- 最終章 佐藤優氏が語る一生役立つ数学の学び
個人的な見どころは、やはり第2章と第3章の「激変する数学教育の現場から」です。著者が丁寧に取材しており、最新の数学教育について詳しく知ることができます。取材先の学校は聖学院、女子聖学院、灘校、青山学院、ドルトン東京学園、明星学苑、新渡戸文化中高、成城などです。
学習指導要領の改訂により小学校ではプログラミング教育が始まり、高校では「情報Ⅰ」が必修となりました。データサイエンスとAIというキーワードで、プログラミングや情報は数学・算数と結びつきます。なぜプログラミング教育が必要なのか、なぜ「情報Ⅰ」が必修となったのか。この本を読んだ後にはこれらの問いにきっと答えられると思います。