生徒1人1台ICT端末を実施する方法として、家庭内のデバイスを学校に持ち込むBYOD(Bring Your Own Device)があります。生徒自身が好きなICT端末を選んで使えるだけでなく、学校側にも全生徒分のICT端末を購入する必要がないというメリットがあります。BYODは非常に人気の方法なのですが、実施する際には注意が必要です。それは校内Wi-Fiの整備が求められるという点です。
校内Wi-Fiを増強・整備しましょう
共有タブレットや端末貸与のスタイルでは、基本的に生徒1人がインターネット1回線を使うことになります。対してBYODではWi-Fiを生徒に開放していくことになるため、生徒1人あたりが使うインターネットの回線数が増えていくことになります。BYODでは必然的にインターネット通信量が増えるため、Wi-Fiの増強と整備が必要になります。
もちろん「生徒1人につき端末1つまで」という制限をかけることも可能ですが、全ての端末のMACアドレスを校内Wi-Fiに登録して制限をかけるのも大変ですし、1つしか使えないというのも不便だったりします。
実際、BYODに移行した学校では、たびたび生徒用のWiFi回線がパンクするという事態が起こっています。このようにBYODでは生徒用のWi-Fi回線が回線がパンクするリスクがあるので、先生や事務が使用しているWi-Fi回線は生徒用と完全に分けておくことをお勧めします。もちろん生徒用のWi-Fi回線がパンクしないように増強しておくことがベストではありますが、回線を分けておくことはセキュリティ的にもリスクヘッジになるのでお勧めです。
昨年、公立学校ではGIGAスクール構想による国の予算で1人1台ICT端末が貸与されました。しかし、今のICT端末が老朽化する5年後以降で、再びICT端末が貸与されるかはまだ分かりません。国の予算がつかない場合、公立学校のとるべき道はBYODになるでしょう。数年後のBYODに備えて、公立学校では特に校内Wi-Fiの増強と整備を進めておくことをお勧めします。