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休校中の学習サポートで先生が心がけるべきこと

休校前に学校が優先して準備しておくべきこと」の続きです。臨時休校やオンライン授業切り替えを検討している学校が増えています。学校が優先すべき対応(1)連絡手段の確保と(2)生徒の情緒的なサポートの準備が整ったら、オンライン授業をはじめとした「学習のサポート」の準備をしましょう。今回は休校中の学習サポートをする際に先生が心がけておくべきポイントについて説明します。


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「オンライン授業をすること」が目的ではない

9月になって先生方から寄せられた相談で多かったのが「オンライン授業をどうすれば良いのか」という内容です。実は、真面目な先生ほど陥りがちな罠が「オンライン授業を行うことが目的だ」という考えなのです。

休校中の学習サポートの目的は「オンライン授業をすること」でしょうか?いいえ、違いますよね。学習サポートの目的は、「休校中に学びを止めないこと」です。生徒の学びを止めない手段の1つとしてオンライン授業があるわけで、必ずしも全ての先生がオンライン授業を行う必要はありません。

もちろん、双方向のオンライン授業を行うことによるメリットはたくさんあります。オンライン授業を実施できるのに越したことはありませんが、先生自身もさまざまな校務なので授業準備に十分な時間が取れるとは限りません。「生徒の学びを止めない」という目的を意識して、自分には何ができるのか、何をすべきなのかを考えると良いでしょう。

学びを止めないために押さえておくべきポイント

それでは「生徒の学びを止めない」ためには、何に気をつければ良いのでしょうか。ポイントは大きく2つあります。

一つ目のポイントは、「学びの伝達手段の確保」です。ようは生徒自身が自宅でも学べるためのツールを用意してあげることです。例えば「オンライン授業で先生が講義をすること」などが手段のひとつになります。

「学びの伝達手段の確保」の手段は、他にもスタディサプリなどの民間教材を活用したり、ポイントを解説したオンデマンド動画を配信したりする方法があります。副教材の問題集で、演習すべき範囲を指示してあげることも良いでしょう。大事なのは、生徒が主体的に学ぼうとしたときに、何をやるべきか分かるという状態を作ってあげることです。これが一つ目のポイントです。

二つ目のポイントは、「生徒への働きかけ」です。ようは生徒自身が主体的に学ぶモチベーションを維持できるようにすることです。イメージとしては、オンラインなどの双方向ツールを使って、生徒の個別ケアを手厚くすることです。生徒の情緒的なサポートと合わせて、コーチング的に関わりましょう。

ZoomやMeetなどのビデオツールで個別ケアの時間を取っても良ですし、Googleクラスルームやteamsなどのチャット機能を使って課題の添削などコミュニケーションを取ると良いでしょう。

オンライン授業以外でおすすめの対応は、オンライン自習室です。生徒が自由に参加できるオンラインのビデオ会議システムを作ります。オンラインで繋がりながら生徒は自分の課題を行うのですが、その際に生徒同士で雑談したり学び合ったりすることができます。先生自身は監督としてオンライン自習室に参加しつつ、定期的に面談やコーチングなどをして生徒のサポートを行う、という仕組みです。

繰り返しになりますが、無理してオンライン授業で一斉講義をする必要はありません。大事なのは「学びを止めないこと」と「生徒の情緒的なケア」です。オンライン朝会やオンライン自習室などで生徒同士の繋がりを休校時にも担保してあげることが効果的です。まずは「授業をしなければ」という思い込みを手放して考えてみると良いでしょう。

次回は、オンライン授業についてまわる通信トラブルに対応する方法について紹介します。


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