今日はちょっとマニアックな本の紹介です。アスクラの正式サービス開始に向けて準備を進めているのですが、その中で手強かったのが「利用規約」「プライバシーポリシー」「特定商取引法に基づく表示」の法的なドキュメント作成です。実務的・法的に適切なものを作成をしたいけど、専門的な内容をしっかり勉強する時間はなくて困っている、そんな人にお勧めの一冊です。起業や副業などで利用規約を作る人はぜひ参考にしてみてください。
書籍紹介
目次は以下の通りです。
- 第1章 3大ドキュメント超入門
- 01 5つの疑問から読み解く「利用規約」ホントのところ
- 02 最低限おさえておくべき「プライバシーポリシー」のポイント
- 03 通信販売に不可欠な「特定商取引法に基づく表示」
- 第2章 トラブルを回避するための注意点と対処法
- 01 規制とうまくつきあうには
- 02 戦う土俵は「日本」とは限らない ~準拠法と裁判管轄の合意
- 03 そのサービス名,使って大丈夫ですか? ~商標権の侵害
- 04 ユーザーがコンテンツをアップする場合の「権利処理」
- 05 契約を成立させるための「同意」の取り方
- 06「 権利侵害コンテンツ」にはどう対応するか
- 07 禁止事項とペナルティの考え方 ~最も登板機会の多い「エース」
- 08 課金サービスでは「契約関係」の整理・把握が不可欠
- 09 ウェブサービス事業者に有利すぎる条件は危ない ~免責と消費者保護
- 10 ポイントの有効活用 ~資金決済法の前払式支払手段の規制
- 11 CtoCサービスにおけるプラットフォーム運営者の落とし穴
- 12 プラットフォームの利用・運営にまつわるリスク
- 13 未成年者による利用と課金
- 14 ユーザーのウェブ上の行動履歴は,どこまで利用していいか
- 15 ウェブ上での広告・マーケティングに対する規制
- 16 広告メールを送付する際に注意すべきこと
- 役に立たない利用規約を生み出す「5つの落とし穴」
- 第3章 すぐに使えて応用できるひな形
- 利用規約のひな形
- プライバシーポリシーのひな形
- 特定商取引法に基づく表示のひな形
- おわりに 心に残る不安を解消するには
- 特別付録 ひな形英文訳
個人的に重宝したのが第3章の「ひな形」ですね。もちろんインターネットには様々なひな形・テンプレートを見つけることができますが、法的に正しいのか怪しいものも多いです。そんなとき、信用できる書籍からひな形を参考にできるのは、実務的にとても助かりました。
本書の大きな特徴としては、法的な目線だけでなくビジネス的な目線で助言が書かれている点です。「法的には正しくてもビジネス的にナンセンス」な内容では意味がありません。「その規約がどうして必要なのか。どうしてこういう書き方が良いのか」ということを、ビジネス的な目線から丁寧に解説してくれているため、事業責任者であればとても読みやすいと思います。
ちなみに、この書籍は2013年発売以来のロングセラーで、2019年にリニューアルされたものです。起業や副業などで利用規約を作る人はぜひ参考にしてみてくださいね。