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先生のための Weekly 教育ニュース(6/7〜6/13)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「コロナ禍を理由に対面授業をやらない大学が提訴」「文部科学省がブラック校則見直しを通知」「中国のオンライン教育業界がブレーキ」「都立高校入試で男女別定員の廃止に2万9000人著名」「N高に労働基準法違反にもとづく是正勧告」について取り上げています。


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コロナ禍を理由に対面授業をやらない大学が提訴

以前から社会問題になっていましたが、ついに今回「コロナ禍を理由に対面授業をやらない大学」が提訴されました。これはどの立場から問題を見るかで大きく変わるため、司法の場でどのような判断がなされるか注目しています。

コロナ禍を理由に対面授業をやらないのは、大学として義務を果たしていない――。そう訴える男子学生(19)が、学費の半額分の返還などを大学側に求める訴訟を東京地裁に近く起こす。学生は「オンライン授業を安易に続ける大学に不安や疑問を感じる学生は多い。誰かが声をあげないといけない」と話している。

中略

訴えでは、文部科学省が20年7月と9月に▽対面授業ができない理由の説明▽授業の代わりとなる学生同士や教授らとの交流機会の設定――などを実施するよう各大学に求めていたことを指摘。大学側の対応は「文科省の要請に反している」としたうえで、施設を利用させるなど学生との契約義務を履行していないと主張する。学費の返還分を含め、計140万円の損害賠償を大学側に求める予定だ。

文部科学省がブラック校則見直しを通知

ブラック校則見直しの動きが全国規模にようやく広がりました。この機会に、各学校の先生方は勤務校の校則を見直すことをお勧めします。

「ブラック校則」と呼ばれる不合理な校則への関心が高まる中、文部科学省は全国の教育委員会などに対し、学校や地域の実態に応じて校則を見直すよう要請した。下着の色を制限する校則を改めた事例なども併せて周知し、社会の常識や時代の変化を踏まえ、「絶えず積極的に見直さなければならない」とした。

 文科省が2010年に示した教員向けの指導手引書で、校則は「校長が必要かつ合理的な範囲内で定める」とされ、必要に応じた見直しも明記されている。しかし近年、「下着の色は白に限る」「特定の髪形を禁止する」といった校則の妥当性を巡って議論が起きている。下着の色指定については、教員が目視で確認したり、違反したら脱がせたりするなどの指導方法も問題視されている。

 こうした課題への対応を促すため、文科省は8日付で通知を出し、▽児童生徒の実情▽保護者の考え方▽地域の状況▽社会の常識▽時代の進展――などを踏まえて校則を見直すよう求めた。

【独自】下着の色指定・特定の髪形禁止…「ブラック校則」見直しを通知

中国のオンライン教育業界がブレーキ

2021年5月、習近平国家主席の「学生の負担を軽減し、放課後の家庭教師サービスの規制を強化する」という方針により、中国のオンライン教育の市場に大きな急ブレーキがかけられています。この動きは正直意外でした。これからの中国の教育業界の動向に目が離せません。

「この分野の企業の資金調達が活発化し、さらなる成長を追求するにつれ、価格詐欺や虚偽の広告などの不正行為が問題化した」と、深圳を拠点とする調査会社ブルーロータス・キャピタルのアナリストは指摘した。

6月1日、中国の規制当局はアリババが出資するZuoyebang(作业帮)や、テンセントが出資するYuanfudao(猿輔導)、前述のニューオリエンタル社などの15社に573万ドルの罰金支払いを命じた。また、GaotuとTALエデュケーションも、オンライン授業の価格を偽ったとして、4月にそれぞれ約7万7000ドルの罰金を科されていた。

中国政府はこれらの企業のマーケティング手法を厳しく取り締まるだけでなく、子どもたちの睡眠を守るために、夜間にライブストリーミングによる講座を提供することを禁止した。また、小学校入学前の児童に小学校の授業を行うことも禁止している。

都立高校入試で男女別定員の廃止に2万9000人著名

東京都の都立高校入試で男女別の定員が設けられているのは、ジェンダー平等やLGBTなど性的少数者保護の観点から廃止すべきだとして、教諭らが集めているオンライン署名が開始から約2週間の9日夕時点で2万9千人以上に上った。署名は今月中にとりまとめ、7月上旬に都教育委員会に提出する方針。

 都立高は生徒の男女比をほぼ同数にするのを目的に全国で唯一、男女別の定員を設定。その結果、合格最低点が男女で異なり、予備校の調査ではほとんどの高校で女子生徒が不利になっているという。都教委は格差が大きい一部の高校で定員の1割を得点順とする是正措置を取っている。

都立高の男女別定員、廃止を

N高に労働基準法違反にもとづく是正勧告

組織の急成長した反面、十分に対処できていなかった問題が明るみになったという印象ですね。N高の担任業務は一般的な学校の担任業務とは異なるため、「一般的な学校のブラック労働」とは異なった問題に私は捉えています。

いずれにしても、N高には問題を明らかにして適切に対処されることを期待しています。

私立通信制高校の大手「N高等学校」(学校法人角川ドワンゴ学園)に対して、亀戸労働基準監督署(東京・江東区)が労働基準法違反にもとづく是正勧告をおこなっていたことがわかった。

同学園の元・現教員の3人が加盟する労働組合「私学教員ユニオン」が6月11日、都内で会見を開いて明らかにした。是正勧告は5月19日付。角川ドワンゴ学園は「真摯に受け止めている」とコメントしている。