毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「1人1台ICT端末、子供に届かず47.1%」「わいせつ教員、免許再交付拒否へ裁量権を与える法案」「こども庁の設置法案、来年提出へ」「退学処分の発達障害児、私立小を提訴」について取り上げています。
1人1台ICT端末、子供に届かず47.1%
3月末までには97.6 %の自治体に生徒用端末が届いているはずなのですが、生徒に届いているのは約半分とのこと。文部科学省の正式調査ではありませんが、驚きの数字です。
GIGAスクール構想による1人1台端末の活用が今年度から本格的に始まることを踏まえ、教育新聞は教員を対象に、学校現場の1人1台端末環境に関するウェブアンケートを行った。小中学校などの教員357人の回答によると、今年4月1日時点で1人1台端末を「授業で日常的に活用している」と答えた教員が19.3%となった一方で、児童生徒の手元に届いていない(「端末が届いたが、児童生徒に配布していない」および「まだ学校に届いていない」)との回答が合わせて47.1%となり、現時点ですでに端末の整備・活用状況に大きな格差が生じている学校現場の姿が浮かび上がってきた。
わいせつ教員、免許再交付拒否へ裁量権を与える法案
わいせつ教員問題が大きく前進しそうです。わいせつ教員に教員免許の再交付を拒否できるよう裁量権を都道府県の教育委員会に与える新法制定が検討されています。
自民、公明両党の「与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチーム(WT)」が、児童生徒へのわいせつ行為で懲戒免職となった教員を教育現場に戻さないため検討している新法の概要が12日、分かった。現行法では教員免許失効後、3年たてば免許の再取得が可能だが、新法案では都道府県教育委員会に再交付が適当かを判断する「裁量的拒絶権」を認める内容となっている。自公は議員立法で今国会への提出を目指す。
この新法案なら「わいせつ教員を一律に排除するわけではないため、憲法などの職業選択の自由と整合性がとれる」とのこと。これまで新法案を作れなかった理由を解消できるため、期待できそうですね。
こども庁の設置法案、来年提出へ
菅義偉首相が創設に意欲を示す「こども庁」を巡り、政府内で検討されている3案が13日、関係者への取材で判明した。このうち1案は、こども庁を内閣府に設置し、現在は文部科学省が所管する小学校、中学校の義務教育を移管するとしている。
3案のうちの一つは、こども庁を独立した組織として内閣府に新設する。「就学前から義務教育段階まで一貫して一体的に推進する」としており、文科省から自治体への指導権限も移管する。
その他の2案は(1)幼稚園、保育所、認定こども園の所管をこども庁に一元化(2)内閣官房に「こども政策戦略会議(仮称)」を新設し、その下に担当室を設置―との内容。
「こども庁」に義務教育移管も、創設で3案
退学処分の発達障害児、私立小を提訴
特に私立学校関係者は要注目の裁判です。
福岡県内の私立小に通っていた発達障害のある男児が、障害が起因とみられる問題行動を理由に退学させられたのは違法として、学校の運営法人に慰謝料など660万円の損害賠償を求め福岡地裁に提訴した。14日に第1回口頭弁論があり、男児側は「障害児への配慮が全くされず、違法の程度は甚大」と主張、学校側は「教育上の配慮は尽くした」と請求棄却を求めた。
退学処分の発達障害児、私立小を提訴 問題行動理由「差別的」、学校側は「全力で対応した」
私立の特別支援教育の現状については、こちらの記事をご覧ください。私立学校の立場としては大きなジレンマですが、障害のある子供に選択肢を与える意味でも、私立学校の特別支援教育が進んでいって欲しいと思っています。