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プログラミング学習の王道は写経にあり

昨日に続き、プログラミングに興味がある高校生向けの記事です。今日はプログラミング学習の王道である「プログラムの写経」について紹介したいと思います。プログラミングに取り組んでいる学生はもちろんのこと、本格的なプログラミング教育に取り組みたいと思っている先生にとってもおすすめの内容です。


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「プログラミングの写経」の手順

プログラミング学習の王道、つまり最短最速でプログラミングを習得する方法は、「お手本となるプログラムを写経すること」です。これに尽きます。

写経(しゃきょう)とは、仏教において経典を書写すること、またはその書写された経典のことを指す。

書写(しょしゃ)とは、文字を書き取ること。学校教育における教科や単元の呼称としても用いられる。

wikiより引用

プログラミングを写経で学ぶための具体的な手順は以下の通りです。

  1. お手本となるプログラムを決める
  2. お手本となるプログラムを、手元の環境にコピー&ペースト(写経)する
  3. 手元の環境でプログラムを実行して結果を確認する
  4. プログラムの内容を1行ずつ丁寧に分析して理解する
  5. お手本のプログラムを少しだけ変えて実行し、結果を確認する
  6. 5を繰り返す。満足したら新しい「お手本となるプログラム」に移る(手順1へ戻る)

プログラミング写経のコツは3つあります。

写経の1つめのコツは、「プログラムの内容を理解する前に、写経して手元の環境でプログラムを動かすこと」です。手順で言うと「手順4の前に手順2と手順3をしましょう」ということです。プログラムの分析と理解は、実際にプログラムを動かした結果を確認してからの方がイメージが湧くので早くなります。

反対に、プログラムだけみて動作を考えられるようになるのは、ある程度プログラミングに慣れてきてからになります。中級者になって「プログラムをまず見て動作を予測する」というトレーニングは有効ですが、プログラミング初心者にはお勧めしません。

写経の2つめのコツは、手順5の「お手本のプログラミングを少しだけ変えて」の「少し」の部分です。プログラミング初心者の時にやりがちな失敗は「お手本のプログラムを変更しすぎて動かなくなる」ことです。変更箇所が多すぎると、どこが原因(=バグ)で動かなくなったのかが分からなくなります。プログラムを変更するときは「少しずつ」が大原則だと覚えておいてください。

写経の3つめのコツは、「手順3でお手本のプログラムが動かなかったときの対処方法」についてです。意外かもしれませんが、お手本のプログラムをコピー&ペーストしたのに、手元のパソコンではプログラムが動かないことがあるのです。初心者の頃はまぁまぁの頻度で起こります。

お手本のプログラムが手元で動かない原因は、3つの可能性があります。1つめの可能性は、「コピー&ペーストのミス」です。プログラム本体は写経していたけどライブラリの読み込み行を忘れていたとか、あるあるです。ちゃんと写経できているか確認しましょう。

2つめの可能性は、「お手本のプログラミング環境と手元のプログラミング環境が違うこと」が原因のパターンです。PythonのバージョンがPython2とPython3で違っていたとか、そもそもライブラリがパソコン本体にインストールされていないとか、そのあたりが原因になります。

この原因を突き止めて解決するのは、初心者には大変ハードルが高いので要注意です。そのため、プログラミング初心者のときは、ブラウザからPythonを実行できるサービスGoogle Colaboratory(通称、Colab)などを使っておくと、お手本との環境構築の差が出にくくなるためお勧めです。

3つめの可能性は、「そもそもお手本のプログラムが間違っていること」です。インターネットのお手本プログラムだけでなく、書籍に書かれているお手本プログラムが間違っている可能性も実はあるんです。実際、大学で研究室に入ると、「専門書が100%正しいとは限らないので疑って読め」と指導されます。学生の方はぜひ覚えておいてください。

以上のように「お手本のプログラムが手元で動かない原因」の可能性を3つ紹介しましたが、それでも問題を解決できない場合は、素直にお手本を変えることをお勧めします。良質なお手本は山ほどある時代ですので、自分と自分のプログラミング環境にあったお手本を選んで、効率よく楽しくプログラミングを学習していきましょう。