Home » 学生向けの記事 » ビジネスアイディアを考えるときの4つの観点

ビジネスアイディアを考えるときの4つの観点

昨日、宇宙ビジネスコンテスト「S-Booster 2021」の紹介記事を書きましたが、このコンテストに挑戦してみようという仲間が身近にいます。宇宙ビジネスのオンラインコミュニティABLabの仲間なのですが、先日オンラインで彼のビジネスアイディアを聞かせてもらう機会がありました。その際に「自分だったらビジネスアイディアをどう考えるかな」と振り返ったのが、今日紹介する4つの観点です。ビジネスアイディアを考える際の参考になれば幸いです。


【スポンサードリンク】

課題・解決手法・実現性・ビジネスモデル

ビジネスアイディアを考えたり相談したりする際にありがちなのが、話がいろいろな方面にとっ散らかることです。

例えば「その装置で十分なデータが得られるの?」「データ分析のアルゴリズムはどうするつもり?」のように実現性について議論していたかと思えば、「このサービスはどの企業が買ってくれるの?」「その金額じゃペイしないよね?」のようにビジネスモデルについて議論が飛んだりします。

そこでお勧めなのが、課題・解決手法・実現性・ビジネスモデルの4つの観点でビジネスアイディアを整理して相談/考える方法です。具体例があった方が分かりやすいですので、私が取り組んでいる「オンライン宇宙部活」の事業を当てはめてみたいと思います。

「課題」とは、自分たちが解決したい課題のことです。そのビジネスを行う社会的意義やミッションに関わる観点です。宇宙部活が解決したい課題は、「宇宙好きの中高生が同世代と宇宙について話す機会が全く無いこと」です。

「解決手法」とは、先ほどの課題を解決するための具体的な方法論のことです。宇宙部活の解決手法は、「宇宙好きの中高生のためのオンライン部活(コミュニティ)を作る」です。

「実現性」とは、先ほどの解決手法を実行できる根拠のことです。宇宙部活の実現性は、私(天文学の理学修士&教育の専門家)やABLabの多様なメンバー(様々な宇宙の専門家&コミュニティ運営のプロ)、それに具体的な活動計画が根拠となります。

「ビジネスモデル」とは、市場ニーズと収益モデルのことです。宇宙部活の市場ニーズは、先月から実施している高校生ユーザーヒアリングが根拠となります。また、収益モデルはメンバーの月会費とスポンサーを検討しています。

というような感じです。

人にアドバイスをもらう時に大事なのは「4つの観点のどれにアドバイスが欲しいか」をはっきりさせることです。本当は「実現性」についてアドバイスをもらいたいのに「解決手法」をダメ出しされたり、そもそも論として「ビジネスモデル」の弱さを指摘されたりしてしまいます。(もちろんそうしたアドバイスも貴重なのですが。)

最後に、意外と見落とされがちなのが第一の観点「課題」について、「なぜその課題をあなたが取り組むのか」という点です。その課題を解決したい確固たる意思、パッションがあるかを必ず振り返るようにしましょう。

これはスタートアップで資金調達をする際にも重要になるポイントなのですが、「この人はこの事業を絶対に途中で投げ出さない」という安心感につながります。同時に、多くの仲間や賛同者を巻き込むエネルギーに繋がるポイントです。

「なぜその課題をあなたが取り組むのか」、この問いに心の底から答えが出せたら、あとは成功するまでしつこくやり続けるだけですね。