今日紹介するのは、世界屈指のプロジェクト型学習(PBL)を実践しているアメリカの高校「ハイ・テック・ハイ」の取材をベースに書かれた「探究」についての書籍です。ハイ・テック・ハイといえば、教育関係者なら耳にしたことのあるドキュメンタリー映画「Most Likely to Succeed」のモデルとなった学校で、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子供たちにとって必要な教育とはどのようなものか?」をテーマにしています。必然的に今日ご紹介する本は教育について非常に示唆に富んだ内容となっています。教育関係者や保護者はもちろんのこと、教育に興味のある社会人や学生にもおすすめの一冊です。
書籍紹介
目次は以下の通りです。
- なぜ「探究」する学びが求められたのか
- 視察者の絶えない学校ハイ・テック・ハイ
- ハイ・テック・ハイの4つのデザイン指針
- 2.プロジェクトベースの学びとは何か
- ハイ・テック・ハイはプロジェクト型学習が中心
- 探究は「不安定な状態」から始まる
- 最高のアウトプットをデザインする
- プロジェクト型学習が子どもの生きる力を伸ばす
- プロジェクトは「発表」の場面から逆算する
- 環境とコミュニティに関わる実践プロジェクト
- 「美しい仕事」をする生徒たち
- 美しい学校をつくろう
- エクセレンスの倫理を養う
- 健全な「批評」がお互いを鍛える
- 「評価」を変えれば子どもも変わる
- 生徒中心の評価を行う
- プロジェクト型学習中心でも高い大学進学実績
- 学習し、成長する組織
- 自由度の高い教師たち
- 常に学習する組織づくり
- 日本の学校への応用
- 教育現場の抱える課題
- 日本でもプロジェクト型学習は可能
本書はアメリカの高校「ハイ・テック・ハイ」での授業事例や考え方を紐解きながら、「これからの時代に必要な教育とは何か」について私たちに考えるきっかけを与えてくれます。
探究やプロジェクト型学習について詳しくない人でも理解できるように丁寧に書かれており、「アクティブ・ラーニングについて学んでみたい」という教員の方にもお勧めです。
それでは初心者向けの書籍かというと決してそうではなく、例えば「PBLのベースとなる学びの概念」や「評価と成績」「学習する組織」「教員同士のコラボレーション」など、非常に考えされられるテーマが抱負にあります。実際、プロジェクト型学習を柱にしている軽井沢風越学園の教員の方も次のようなブログを書かれています。
最後にひとつ補足をすると、日本でもプロジェクト型学習を取り入れている学校はたくさんあります。先ほどの軽井沢風越学園もそうですし、他にも多くの私立学校でも実践されています。私立学校で行われているPBLの最新情報を知りたい方は、私立学校研究家の本間先生のブログ「ホンマノオト21」をぜひご覧ください。