先日、文化学園大学杉並中学・高等学校に仕事で行ってきました。毎年この時期に授業視察とインタビューをさせていただいているのですが、年々驚くほど教育が進化しています。メディアでも頻繁に取り上げられている学校なのでご存知の方も多いと思いますが、今回は保護者目線で学校の特徴を紹介していきたいと思います。新時代の学校の取り組みとして、学校選びの参考になれば幸いです。
ダブルディプロマ(DD)の中高一貫校
文化学園大学杉並中学・高等学校(以下、文杉)を語る上で欠かせないのが「ダブルディプロマ(以下、DD)」です。DDとは、国内と海外の二つ(ダブル)の学校の高校卒業資格(ディプロマ)を獲得できる教育です。文杉では、カナダのブリティッシュ・コロンビア州(以下BC州)の高校卒業資格を得ることができます。
文杉のDDコースであれば、日本に住んでいながら世界最高レベルのBC州の教育を受けることができます。教員はもちろんネイティブで、現地と同じカリキュラムを英語で行うことになります。卒業時に得られる「BC州の高校卒業資格」があれば、海外大学出願時に必須の検定試験をパスすることができます。一般クラスに比べてDDコースの授業時間は増えますが、本物のグローバル教育を受けたいのであれば最高の学習環境と言えるでしょう。
ダブルディプロマ(DD)の本当の価値
以上が一般的なDDについての説明ですが、これを親目線で読み解いてみましょう。親が一番に望むのは、やはり我が子の将来の幸せです。「DDの学校に通わせること」は、我が子の幸せにどう繋がっているのでしょうか。
私の考えを言いますと、DDの学校に通うことの一番の価値は、ダイバーシティ(多様性)にあると考えています。国内ではインターナショナルを除いて、DDよりダイバーシティが進んでいる学校は少ないでしょう。文杉のモットーは「校内でforeigner(外国人)を作らない」だそうです。多感な中高6年間の時期に、「多様性を受け入れることが当たり前の環境」で過ごす経験は、必ずお子さんの人生の糧になるでしょう。
以前にも書きましたが、これから子供達が生きる時代は脱工業化社会です。コラボレーション、つまりコミュニケーションが大事な社会です。異なるバックグラウンドを持つ人達と上手に付き合っていけるスキルは、社会で生きていく上でとても大切になります。
子供たちが大人になる頃には、今よりも確実に海外の仕事が増えているでしょう。海外で仕事をしなくとも、外国人の方が日本にやってきて一緒に仕事をするケースもあります。自動翻訳の技術が進んでいるので、英語ができなくとも「言葉の壁」は乗り越えられるかもしれません。でも、「文化の壁」は、テクノロジーでは決して解決できません。この壁を乗り越えるためには、「多様性を受け入れた経験」が不可欠だからです。
学校選びでDDコースと言ったら、海外の教育カリキュラムや英語教育、海外大学進学などに目が行きがちです。確かにそれらは素晴らしいです。でも、子供の人生を長い目で見たとき、「多様性を受け入れることが当たり前の環境」こそがDDの一番の魅力だと感じます。コミュニケーション、人間関係に関するスキルを育むには、学校の環境と文化がとても重要ですから。
普段から海外で仕事をされている方々は、このダイバーシティの重要性をよくご存知なのでしょう。実はここ最近、文杉のDDコースが帰国生に人気だと耳にします。DDコースは一般的に高校限定の教育プログラムですが、文杉では中学にDDの準備コースが新設されました。中学の帰国生入試でも、これから人気が高まっていくことでしょう。(続く)
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