今日紹介する本は、天文学を学び始める高校生・大学生にお勧めの一冊です。「現代の天文学」というシリーズの第一巻「人類の住む宇宙」です。実はこのシリーズ、私が大学時代に天文学を学んだ教科書でもあります。大学の教科書といっても、第一巻は入門書的な位置付けで、天文学の全体像を俯瞰して学ぶことができる良書です。図書館などにも置いてあると思うので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
書籍紹介
目次は以下の通りです。
- 第1章 現代宇宙観までの道のり
1.1 天文学とはどんな学問か
1.2 古代・中世の宇宙観
1.3 天動説から地動説へ
1.4 「銀河宇宙」の発見
1.5 膨張宇宙の発見からビッグバンへ
1.6 現代宇宙論に投げかけられた2つの謎
1.7 現代の宇宙観測と技術開発 - 第2章 宇宙の起源と現在の姿
2.1 宇宙の誕生とその歴史
2.2 現在の宇宙の姿
2.3 銀河系と太陽系
2.4 宇宙における距離の測定 - 第3章 元素の起源
3.1 私たちの元素ワールド
3.2 私たちの原子核ワールド
3.3 ビッグバン元素合成
3.4 星の一生と重元素の起源
3.5 超新星爆発と爆発的な元素合成
3.6 宇宙線の衝突で創られるまれな核種Li,Be,B
3.7 鉄より重い元素の合成
3.8 銀河系内での元素の循環――星と星間物質の循環サイクル
3.9 私たちは星の子ども - 第4章 太陽系
4.1 母なる星: 太陽
4.2 太陽系の諸天体とその特徴
4.3 ケプラーの法則と万有引力
4.4 太陽系の起源 - 第5章 太陽系外惑星
5.1 人間は宇宙の生命をどう考えてきたか
5.2 太陽系外惑星の探索と発見
5.3 進む太陽系外惑星の観測
5.4 惑星像は一新された
5.5 太陽系・惑星系形成論へのインパクト
5.6 「宇宙生命との出合い」へのロードマップ
5.7 人類と宇宙・文明 - 第6章 地球と人間
6.1 水惑星の形成と進化
6.2 気象現象とそのしくみ
6.3 自然災害と地球のしくみ
6.4 地球環境と人間活動
6.5 地球温暖化 - 第7章 時と暦
7.1 時間と時刻の表現
7.2 暦
7.3 天体の見え方
目次を見てもらえばわかるように、これ一冊で天文学の全体像を把握することができます。アインシュタインの宇宙方程式など難しい内容も含まれていますが、数式は少なめですので高校生でも頑張れば通読できるレベルです。私は第一版で学びましたが、2017年に第二版が出版されました。内容も更新されていますので、読む時は最新版かどうかご確認ください。