4月12日(水)、日本武道館にて東京大学の令和5年度入学式が執り行われました。今年はグローバルファンド 保健システム及びパンデミック対策部長である馬渕俊介氏が祝辞を述べられました。東大のホームページに祝辞の全文が公開されているのですが、夢・経験・リスクについて語られている素敵な内容です。若者と先生に読んでもらいたい内容になっていますので、まだ読んだことのない方はぜひご一読ください。
令和5年度東京大学学部入学式 祝辞(グローバルファンド 保健システム及びパンデミック対策部長 馬渕 俊介 様)
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特に印象的だった箇所を少しだけ引用しておきます。ぜひご覧ください。
この話でお伝えしたかったことは、皆さんはこれからいろいろな学問や仕事で身に着けた力、「経験」を組合わせて、そのすべてで問題解決に挑むということです。私のエボラ対策の例では、文化人類学の考え方、感染症対策の専門性、民間の経営コンサルティングのスピード感と問題解決力の3つを組合わせで持っていたことが、大きな助けになりました。民間と公共の壁や、医療と文化、社会の壁などを「越境」した経験を持って、問題解決をまとめる力は、問題がどんどん複雑になるこれからの世界では、本当に重要になります。
一つの分野で世界のナンバーワンになることは、とても難しい。ですが、いくつかの重要な分野の経験やスキルを、自分だけにユニークな組合せとして持っていて、それらを掛け算して問題解決に使えるのは自分だけという「オンリーワン」には、なることができます。
そこでとても大切なことは、「環境が人を作る」ということです。人間は弱くも強くもあり、自分のいる環境をたった一人で突き抜けて大きく成長していくことはとても難しいですが、逆に凄い人たちの中で、あるいは修羅場に身を置いて、難しい挑戦を続けていると、それが普通にできるようになって、その次のさらに大きな機会に手が届くようになります。環境は、「わらしべ長者」のように力をつけて、「経験を組合わせ」ながら得ていくものです。私の場合はそうやって徐々にできることを増やしていって、今に至っています。