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東京理科大による宇宙教育プログラムのオンライン講義

東京理科大は、宇宙科学技術の魅力を広く社会に発信できる人材を育成するための「宇宙教育プログラム」を毎年実施しています。今年の宇宙教育プログラムは、開講に先立ち6~7月にかけて3回のオンライン講義が開催されることになりました。そしてなんと、オンライン講義については社会人でも誰でも聴講することができるのです!宇宙好きとしては参加しない手はありません。というわけで本日の午前中に、宇宙教育プログラムのオンライン講義を聴講してきました。


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東京理科大の宇宙教育プログラム

まずは宇宙教育プログラムの紹介です。

宇宙教育プログラムは、大学生、高校生、高等専門学校生を対象とした「知識」と「体験」の二つの側面から最先端の「本物」を体感できるプログラムです。宇宙関連分野の研究実績を持つ本学教員による講義、国内外で活躍する宇宙飛行士、研究者、起業家等による講演を受講し、宇宙科学や宇宙産業に関する知識を得るととともに、世界的な視野を身に付けることができます。また、CANSAT実験(小型衛星模擬モデルの落下実験)、微小重力実験では、受講生がチームを組み独自の実験テーマを決めて実験に取り組むことで、実践に基づいたシステムズエンジニアリング及びプロジェクトマネジメント能力の修得を目指します。その他にも、宇宙関連機関・企業等訪問やデータ解析やミッションデザイン等の実習も用意しています。

東京理科大の宇宙教育プログラムのホームページより引用

宇宙好きの生徒にとっては最高のプログラムですね。私も微小重力実験をやってみたいなぁ。私の知人にも宇宙教育プログラムに参加した人がいるのですが、評判はとても良かったです。宇宙好きの子供や生徒がいたら、是非このプログラムを教えてあげてください。(申し込み期限は7月6日までだそうです!)

実は私も大学生のころに似たような教育プログラムに応募して、ハワイにある『すばる望遠鏡』を使った観測天文学の体験実習に参加させてもらった経験があります。当時は理論物理学と観測天文学で悩んでいたのですが、この実習をきっかけに観測天文学を選んだのは良い思い出です。宇宙や天文の分野に限らないことですが、最先端の「本物」を体感できるプログラムは素敵だと思います。

木村教授のオンライン講義

オンライン講義の初日、今日は「宇宙の物作りからスペース・コロニーまで」というテーマで木村真一教授によるオンライン講義が実施されました。大学教授の講義だということで、もっと小難しい話や専門性の高い話題を想像していましたが、良い意味で期待が裏切られました。

木村先生は宇宙システム工学、自律制御工学、ソフトウエア工学を専門に活躍されている方なんですが、驚いたことに大学院生の頃の専門は生物学だったそうです。生物の適応性、特に運動制御に関する研究をされており、なんと薬剤師免許も持っているそうです。

そんな生物学(薬学)の博士号をとったばかりの木村先生が、不思議な縁によって宇宙システム工学の研究所で働くことになったエピソードは大変興味深かったです。特に印象的だったのが、ご自身の人生を振り返った際の3つのアドバイス・感想でした。

  • 専門分野(生物学)から少し離れて周囲を見てみると、面白いこと(宇宙工学)がたくさんあったこと
  • 落ち込むことがあっても、めげないで積極的にアクションを起こしたことが功をそうしたこと
  • 人との出会いが大きかったこと

この話にはとても共感しました。そして、高校生や大学生がこのような人生の話が聞けるのはとても幸運なことだろうなと感じました。

その他にも木村先生の様々な研究エピソードや最前線の課題、質疑応答など、90分の講義があっと言う間に過ぎていきました。久しぶりに宇宙のアカデミックな空気に触れることができて、大変楽しかったです。

次回のオンライン講義は6月28日。テーマは「星とニュートリノ」と「やりたいことをミッションにするには?システムズエンジニアリング入門」の2つで、こちらも大変楽しみです。

残念ながらオンライン授業の聴講枠は埋まってしまっていますが、宇宙教育プログラムは7月6日まで募集しています。興味のある学生さんがいたら、ぜひ申し込んでみてくださいね。