先生のための Weekly 教育ニュース(10/10〜10/16)

毎週月曜日は「先生のための Weekly 教育ニュース」というシリーズでブログを更新しています。今日は「総合型選抜入試、過去最多の104校」「一部国立大の共通テスト『情報』配点ゼロ予告」「THE世界大学ランキングが発表」について取り上げています。


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総合型選抜入試、過去最多の104校

中学入試では適性検査型入試や思考力入試などの新タイプ入試が増えていますが、大学入試でも総合型選抜や学校推薦型選抜が増えています。

文部科学省は11日、来春入学者の国公立大入試の概要を公表した。国立大82校と公立大96校(専門職大を含む)の計178校のうち、書類審査と面接などを組み合わせた総合型選抜(旧AO入試)を実施するのは104校、学校推薦型選抜(旧推薦入試)は172校で、いずれも過去最多となった。

 理工系の女子学生を増やすため、学校推薦型に理工系学部の女子優先枠を設けるなどと文科省に回答したのは富山大、名古屋大、名古屋工業大、兵庫県立大、島根大の5校あった。

 全体の募集人員は計12万8182人で、うち総合型選抜は7668人、学校推薦型選抜は2万1187人。

一部国立大の共通テスト「情報」配点ゼロ予告

大学入学共通テストの「情報Ⅰ」をめぐり、一部の国立大学で配点を0点にする方針が発表されています。今後の動向に注目です。

情報処理学会は10月12日、大学入学共通テストで「情報」科目の配点を0点にすると予告した一部国立大学に対して、抗議する声明文を発表した。情報処理学会はこのような事態を“不適切な入試”と表現し、全ての受験科目で適切な配点をするよう強く求めている。

 全国86の国立大学で構成される国立大学協会は1月、2024年度実施の国立大学入学試験から「情報」を必須科目に加えると発表。22年度から高等学校の必須科目として「情報I」が順次導入されているのを受けての決定で、必須科目はこれまでの国語、英語、数学、理科、社会に情報を加えた6教科8科目になる。

 この方針を受けて、北海道大学など一部国立大学は24年度の入試では情報の成績は配点しない旨を9月に発表。北海道大学に理由を聞いたところ「新設の科目で前例がないため、問題の傾向や点数が不安定になると予想している。慎重な対応を行いたいため24年度は配点0にした。25年度以降についての予定は未定」と話した。

THE世界大学ランキングが発表

英国THE社の最新の世界大学ランキングが発表されました。

【ロンドン共同】英教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は12日、今年の世界大学ランキングを発表した。日本勢で最高順位となった東京大は前年の35位から39位に、2番手の京都大も61位から68位に順位を下げた。全体では英オックスフォード大が7年連続でトップの座を保持した。

今回のニュースでは東大・京大がランキングを下げたことが報じられていますが、別の有名な世界大学ランキングQSではランキングを下げていません。

2022年6月9日、QS社が毎年公開している世界大学ランキングの2023年版が公開されました。1位は米・マサチューセッツ工科大学(MIT)(2022年版:1位)、2位は英・ケンブリッジ大学(2022年版:3位)、3位は米・スタンフォード大学(2022年版:3位)でした。

このランキングは世界の研究者を対象とする調査や、所属研究者の過去5年分の論文の引用分析の結果等に基づいて算出されるものです。

100位以内には、日本からは23位に東京大学(2022年版:23位)、36位に京都大学(2022年版:33位)、55位に東京工業大学(2022年版:56位)、68位に大阪大学(2022年版:75位)、79位に東北大学(2022年版:82位)の5大学がランクインしています。

THEとQSの世界大学ランキングは評価指標がそれぞれ異なるため、大学によって順位が大きくことなるからです。世界大学ランキングを正しく読み取るには、ランキングの上下に一喜一憂するのではなく、それぞれのランキングがどのような指標であるかを理解しておくことが大事ですね。